3-2-2. 変形ドングリの世界

 このセクションでは、様々な樹種の変形ドングリをご紹介します。中には、“変形くん” と発生要因が異なると思われるような変形ドングリもたくさんあります。ドングリの世界のアウトロー達をぜひご覧になって下さい。
1. アラカシ(Quercus glauca)
 服部緑地公園 [ 所在地 : 大阪府豊中市 ] に、図3-2-2-1の様なドングリを大量に結実する個体があります。堅果が弓形に変形しているところが “変形くん” と良く似ています。小粒で、赤ちゃんのほっぺみたいにプックリしていて、とても魅力的な形をしています。

(注) このドングリの詳細については、セクション9-3 “ 堅果の中に潜む奇妙な虫 その2 ”を参照願います。
2. クヌギ(Quercus acutissima)
 大泉緑地公園 [ 所在地 : 大阪府堺市 ] は、京阪神でも指折りの巨大なクヌギのドングリの豊庫です。そのせいか、変形ドングリもかなりビッグサイズです。部分的に膨れていたり、斜めに大きく歪んだ堅果がたくさんあります(図3-2-2-2参照)。

(注) このドングリの詳細については、セクション6-3 “ 大泉緑地の奇妙なドングリ その2 ”を参照願います。
3. マテバシイ(Lithocarpus edulis)
 図3-2-2-3は、京都御苑 [ 所在地 : 京都府京都市 ] で採集したドングリです。この手の変形ドングリは、一般の公園や緑地でもよく目にします。一方、図3-2-2-4は、京都府立植物園で採集したドングリです。堅果の胴回りに奇妙な屈曲痕があります。因みに、この個体に結実したドングリは、全てこのような形をしています。同園には、これと似たような形状のドングリを結実する個体が、他にも数体あります。

4. スダジイ(Castanopsis sieboldii)
 大阪市立大学附属植物園 [ 所在地 : 大阪府交野市 ] には、一風変わった変形ドングリを大量に落下する個体があります。へそから首にかけて果皮に大きな亀裂が走ったものや、果皮の大部分がへそで覆われたようなものもあります。ここまで変形したスダジイのドングリは、同園以外でお目にかかったことがありません。

(注) このドングリの詳細については、セクション3-3-5 “ 裸のドングリ ”を参照願います。
5. レッドオーク(Quercus rubra)
 鶴見緑地公園 [ 所在地 : 大阪府大阪市 ] にはたくさんのレッドオークが植栽されています。図3-2-2-6は、複数の個体から採集したドングリです。セクション3-2-1にあるシラカシの “変形くん” と同じように、堅果が変形している箇所の殻斗が大きく欠損しています。

(注) 同園のレッドオークの大半がナラ枯れの被害にあっており、現在ドングリを結実する個体は数体のみです。
6. ツクバネガシ(Quercus sessilifolia)
 図3-2-2-7は、京都御苑 [ 所在地 : 京都府京都市 ] にあるツクバネガシの中でもかなり大きくて分厚い殻斗をもったドングリです。この個体は、例年11月末から12月初旬にかけて大量のドングリを落としますが、この様に殻斗だけが異様に変形したものがたくさん見られます。

7. シラカシ(Quercus myrsinaefolia)
 図3-2-2-8は、深田公園 [ 所在地 : 兵庫県三田市 ] のシラカシから採集したドングリです。殻斗だけがハチャメチャに変形したものが多数混在しています。

8. イチイガシ(Quercus gilva)
 長居植物園 [ 所在地 : 大阪府大阪市 ] にあるイチイガシの中に、殻斗だけが異様に変形したドングリを大量に落下する個体があります(図3-2-2-9参照)。同様のものは、大阪市立大学附属植物園 [ 所在地 : 大阪府交野市 ] や明石公園 [ 所在地 : 兵庫県明石市 ] の個体でも見られます。