![]()

図30-Aは、現在我々が普通に目にする、コナラ属の樹木の新枝に開花した花序の例です。樹種が違っても、新枝の上方には穂状の雌花軸が立ち、中程から下方にかけて尾状の雄花軸(*)が垂下する姿は、コナラ属に共通した花序形態です。ところが、コナラ属の樹木でも季節外れに開花する個体には、現在のものとは全く異なる形態の花序が見受けられます。
これらの花序は、特定の樹種の少数の個体だけを漫然と見ていても、単に珍奇なものとしか感じられないかもしれませんが、様々な樹種で数多くの個体を観察していると、花軸が誕生してから現在のような新枝が出現するまでの過程がハッキリと見えてくるのです。
ここでは私が調査した観察結果を基に、独自の視点で花序の進化の過程を6つの段階に分類し、花軸が誕生する以前(第1ステージ)から現在の姿(第6ステージ)に至るまでの推移をまとめてみました。
* 雄花軸には、普通葉を伴う新枝の中位から下方で垂下するものと、普通葉を伴わない雄花軸専用の短い新枝に垂下するものがあります。
花軸誕生以前(新枝に花序が直接開花)
第2ステージ
1本の穂状の花軸が立つ花軸専用の新枝が出現
第3ステージ
複数の穂状の花軸が立つ花軸専用の新枝が出現
第4ステージ
花軸専用の新枝に冬芽や普通葉が出現
第5ステージ
新枝の上方に穂状の雌花軸、下方に穂状の雄花軸を分離するように配置第6ステージ (現在の花序形態)
新枝の上方に穂状の雌花軸、下方の雄花軸が穂状から尾状に変化
(注) 第6ステージは現在の花序形態(代表例:図30-A参照)なので、クリックしても応答しません。