第3ステージ

複数の穂状の花軸が立つ花軸専用の新枝が現れる

(花序の特徴)

1. 新枝に、主に雄花から成る雄花軸だけが複数立つ場合と、主に雌花から成る雌花軸だけが複数立つ場合、あるいは両者が混在して立つ場合がある。

2. 花には、雄蕊と雌蕊をもつ両性花(両性形態の花)や、殻斗の元になる器官に複数の雌花が咲いた多果形態の雌花が混在する。

 この形態は、コナラ、ナラガシワ、ウバメガシの3種類で確認しています。因みに、コナラとナラガシワの形態は酷似しています。

 
 コナラやナラガシワでは、花軸専用の新枝に雌花軸だけが立ちます(図30-3-1〜図30-3-3参照)。

 ウバメガシも基本的にコナラと同じですが、雄花軸だけが立つ場合(図30-3-4参照)と、雌花軸だけが立つ場合(図30-3-5参照)があります。

 
 このように、花軸だけが立つ花軸専用の新枝が存在するということは、花序が進化する過程で普通葉を伴う新枝に花軸が出現したのではなく、花軸専用の新枝に普通葉が現れることによって、現在我々が目にするような花軸のある新枝に進化したと考える方が理に適っていると私は考えます。