第4ステージ
花軸専用の新枝に普通葉が現れる
(花序の特徴)
1. 新枝に、主に雄花から成る雄花軸だけが複数立つ場合と、主に雌花から成る雌花軸だけが立つ場合、そして両者が混在して複数立つ場合がある。
2. 花には、雄蕊と雌蕊をもつ両性花(両性形態の花)や、殻斗の元になる器官に複数の雌花が咲いた多果形態の雌花が混在する。
複数の花軸を有する花軸専用の新枝が出現してから、それらの中の一部の花軸の根元(葉腋)に普通葉が現れます。この形態は、コナラ、ナラガシワ、ウバメガシの3種類で確認しています。コナラとナラガシワの場合は、新枝には雌花軸だけが立ちます(図30-4-1参照)。
図30-4-1の新枝は、花軸専用の新枝の先の方にある2本の雌花軸の根元に普通葉があるだけで、現在のコナラの新枝に比べて様子が大分異なります。一方、図30-4-2の新枝には全ての花軸の根元に普通葉があり、花軸が異常に長くその数が多い点を除けば、現在のコナラの新枝と基本的な構造がよく似ています。
ウバメガシについては、雄花軸だけが立つ場合と雌花軸だけが立つ場合、そして両者が混在して立つ場合があります。図30-4-3は雄花軸だけの例で、図30-4-4は雌花軸だけの例です。