30. コナラ属の花序形態

 コナラ属の樹木の中には、一般的な春の花期以降にも開花を繰り返す個体が稀に存在します。それらの個体に咲く花序は、普段我々が目にするものとは随分違った形態をしています。花軸の形態は勿論の事、単体の花を見ても多果の雌花や両性花(両性形態の花)といった遠い過去の時代に退化消滅したものが数多く見られることから、突発的に発現した異常形態ではなく、太古の形質を引き継いできた特定の個体が、現代に甦らせたタイムカプセルのようなものではないかと私は考えています。

 これらの花序は、樹木の種類が違っても基本的な形態はよく似ていますが、中には特定の種類でしか見ることができないとても珍しいものもあります。もしこれらが本当に花序のタイムカプセルだとすれば、種間や個体間における形態の共通点や相違点を分類整理することによって、コナラ属が誕生してから今日に至るまでの花序の進化の過程をビジュアルに再現することができるかもしれません。

 このセクションでは、これまで調査してきたコナラ属の特殊な花序のデータを再構築することで、コナラ属が誕生してから現在に至るまでの変遷を、世間一般に流布する通説ではなく私個人の見解でまとめてみました。
(注) データ等の無断転載はご遠慮下さい。
30-1. 花序のレイアウト
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