23. 集まれ!両性花

 我々の身近に咲いている花の多くは、雌蕊の周りを複数の雄蕊が取り囲んだ両性花です。一方、ブナ科の樹木の花、即ちドングリの元になる花は、雌蕊だけをもつ雌花と雄蕊だけの雄花に分れています。これを雌雄異花といいます。
 ところが、ドングリの花を観察していると、たまに雌蕊と雄蕊の両方をもつ両性花に出くわすことがあります。両性花と言っても、厳密には雄蕊、もしくは雌蕊のいずれか一方が機能しない、外観が両性形態の花のことです。両性花は、マテバシイ属やシイ属ではごく普通に見られますが、コナラ属では樹種によって稀にしか見ることができません。このセクションでは、これまで目撃した両性花の形態や開花状況について紹介します。

1. マテバシイ( Lithocarpus edulis )
2. スダジイ( Castanopsis sieboldii )
3. ナラガシワ( Quercus aliena )
4. コナラ( Quercus serrata )   
5. ウバメガシ( Quercus phillyraeoides )  
6. アラカシ( Quercus glauca )
7. シラカシ( Quercus myrsinaefolia )
8. カシワ( Quercus dentata )
9. ウラジロガシ( Quercus salicina )
10. クヌギ( Quercus acutissima )

(注) このセクションに掲載している写真やデータについては、一切の転載を許可しておりません。

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