コナラQuercus serrata )
 花軸 1 (花期 : 4月)

 雌花軸は、新枝の上方の葉腋に立つ長さ10〜20mm程度の穂状花序です。1本の雌花軸には普通1〜5個の雌花が咲きます。一方、雄花軸は新枝の下方に垂下する長さ100mm程度の尾状花序です。1本の雄花軸には20個前後の雄花が咲きます。

 花軸 2 (花期 : 5〜11月)

 普通のコナラはこの時期に開花しませんが、個体によっては4月に開花した後、再びこの時期に開花を繰り返すものがあります。4月に出現した新枝の冬芽(頂芽、側芽)から新たに普通葉を伴わない新枝が出現し、そこに長さが30mm前後の穂状の花軸が立ちます(図23-4-2参照)。花軸には、雄花軸と雌花軸の明確な区別がなく、雌花、雄花(*)、両性花が混在します。雌花よりも両性花が多数を占めることが多く、1本の花軸に10個前後の両性花が咲くこともあります。
* こういう特殊な個体では、雄花だけ8月以降に咲くケースが多く見られます。
 両性花の形態例

 4月に開花した後、5月以降は断続的に開花しますが、5月中旬までに咲いた花の中には、4月に開花したものよりも半月から1ヶ月程度遅れて結実することがあります。但し、それ以降に開花したものが結実することはありません。