ナラガシワQuercus aliena )
 花軸 1 (花期 : 4月)

 雌花軸は、新枝の上方の葉腋に立つ長さ10〜20mm程度の穂状花序です。1本の雌花軸には普通2〜6個の雌花が咲きます。一方、雄花軸は新枝の下方に垂下する長さ100mm程度の尾状花序です。1本の雄花軸には20個前後の雄花が咲きます。
 両性花の形態例

 雌花軸で両性花を目にすることはほとんどありませんが、雄花軸ではしばしば両性花(図23-3-2参照)を目にします。

 花軸 2 (花期 : 7〜11月)

 普通のナラガシワはこの時期に開花しませんが、個体によっては4月に開花した後、再びこの時期に開花を繰り返すものがあります。4月に出現した新枝の冬芽(頂芽、側芽)から新たに普通葉を伴わない新枝が出現し、そこに長さ20〜50mmの穂状の花軸が立ちます(図23-3-3参照)。花軸には、雄花軸と雌花軸の明確な区別がなく、雌花、雄花、両性花が混在します。雌花よりも両性花が多数を占めることが多く、1本の花軸に10個以上の両性花が咲くこともあります。
 両性花の形態例

 残念ながら、この時期に咲く雌花や両性花が結実することはありません。