9. ドングリ
 オキナワウラジロガシは、日本に自生するブナ科の植物の中でも最大のドングリを結実します。大きなものになると、堅果長は50mm、堅果幅は40mmに達します。久米島で見つけたオキナワウラジロガシのドングリにはいろんな形をしたものがありましたが、大きく分けると、堅果が微毛で覆われたものと、首回りの一部を除くとほぼ無毛のものがありました(図24-K-1参照)。

 図24-K-2は堅果が微毛で覆われたタイプです。肌色の微毛は指で擦ると果皮の表面から簡単に剥落し、焦茶色の光沢を放つ果皮が現れました。

 一方、図24-K-3は首回りの一部を除くとほぼ毛が無いタイプです。成熟したばかりの果皮は焦茶色や赤黒色をしており、軽く表面を擦ると強い光沢が現れました。

 堅果を覆う微毛は、個体によって剥落しやすいものとそうでないものがありました。剥落しやすいものについては、へそや首周りを除くとほとんど毛が無い状態のものが多く見られました(図24-K-5参照)。


 果軸は、他のアカガシ亜属の樹種と同程度の長さ(=10〜20mm)ですが、軸径は5mm前後とかなり太めでした。殻斗に付随した果軸を丹念に調べ上げた結果、オキナワウラジロガシの果軸には最大で3個のドングリが結実していました(図24-K-6参照)。


 ドングリは大小を問わずユニークな形態のものが多く、球形、三角形、台形状のものや細長いのや太いものまで様々でした(図24-K-7、図24-K-8参照)。他の種類と同様、オキナワウラジロガシのドングリも結実する個体によって大きさにかなり差があることが判りました。中には、堅果長が20mm程度の小さなドングリしか結実しないものもありました。