1. 自生環境
 オキナワウラジロガシは日本の固有種で、沖縄本島、奄美大島、徳之島、石垣島、西表島、久米島の6つの島に自生しています。特に久米島は、他の島々のようにオキナワウラジロガシのドングリを捕食する動物がいないこともあり、島内全域の山岳部に広く群落を形成していました。

 
 オキナワウラジロガシは沢の周辺や川沿いだけでなく、多雨期に一時的に水が流れる山道沿いにも数多く見られました(図24-A-1〜3参照)。

 久米島は火山性の岩石が多い地質で、島内の山岳地帯はどこも大きな岩が剥き出しになっており、沢の周辺や川沿いの岩陰には上流域から流されてきたと思われるドングリが至る所に集結していました(図24-A-4参照)。

 
 久米島では川や沢、そして山道に対して垂直方向にもオキナワウラジロガシの植生域が拡大しており、数百体規模の群落が島内山岳地帯の複数個所に形成されていました。

 以上のような状況は、オキナワウラジロガシのドングリが水流によって散布され、植生域を拡張している確かな証拠だと考えられます。