9. 雌花軸に現れた冬芽 その1

 春に開花したツブラジイの雌花軸に、冬芽
があるものを見つけました(図21-9-1〜2参照)。花軸と言っても、果実を着けることに特化した枝なので、そこに冬芽が現れたからと言って驚くことはないのかもしれませんが、こういうシチュエーションは樹種を問わず極めて稀です。このセクションの6項で紹介したマテバシイの雌花軸(果軸)の先端にも、きっとこのような冬芽が形成されていたのではないでしょうか。


(追記)
 冬芽と記載しましたが、殻斗の元になる器官に咲いた雌花が退化消滅して、殻斗だけが成長した幼果かもしれません。ただ、開花後2ヶ月程度で、ツブラジイの殻斗の元になる器官がこのように変化した事例をこれまで目にしたことがないので、個人的には冬芽である可能性が高いと思います。