3. 大きな苞葉 その1

 雌花序の腋に立つ苞葉は、殻斗の元になる器官と同じぐらいの高さで、あまり目立たないものが普通ですが、ときどき雌花序よりも大きな苞葉を目にすることがあります。図21-3-1は、アラカシで見つけたちょっと大きめの苞葉です。

 大きな苞葉は、アカガシ亜属の樹木でよく見かけます。図21-3-2は、アカガシで見つけたかなり大きな苞葉です。開花して半月ぐらいが経過したもので、葉身は20mmぐらいです。

 普通は、開花してから一ヶ月も経てば苞葉は枯れ落ちてしまいますが、中には二ヶ月かそれ以上の間、幼果の腋に残したままの個体もあります。図21-3-3は、開花から二ヶ月が経過したシラカシの苞葉です。そんなに大きくはありませんが、枯れることなく残存しています。

 苞葉は普通葉に比べて大きさが極端に小さいだけで、葉の特徴は酷似しています。図21-3-4はウラジロガシの苞葉ですが、普通葉と同じように裏面が真っ白です。