11. 最小の雌花軸

 スダジイやツブラジイで、雌花軸から分岐した花軸を時々見かけます。分岐した花軸が多い個体には共通点があり、いずれも1つの殻斗が複数の堅果を包含した多果を大量に発現します。

 掖谷公園 [ 所在地 : 兵庫県神戸市 ] のツブラジイで、複数箇所で分岐した雌花軸(果軸)を見つけました(図21-11-1参照)。この個体では、多いものだと1本の果軸から5本も分岐していました。

 さらに、同じ個体で高さ2mm程度の台座によって果軸から底上げされたような幼果を見つけました(図21-11-2参照)。この台座のようなものも分岐した果軸の一形態だと思われます。おそらく、視認できる最小クラスのものではないでしょうか。