高次の多果が発現したシリブカガシの果軸

珍品度 : ★(6果)、★★(7果)

 
 シリブカガシのドングリは、普通1〜5個の殻斗が合着したような形をしていますが、稀に6個の殻斗が合着したような形のもの(6果)を目にします。ここに展示している1(上段)は、6果として発現し、その内の1つが結実した例です。
 6果の発現については、これまでに数例確認していますが、7果については1例だけです。2(下段)は、その稀少な7果の例です。


 シリブカガシの殻斗はマテバシイと同様に、果数が増えても果軸と殻斗の接合面積はほとんど変わりません。ここに展示しているものも、同じ果軸にある他の果数のものと接合面積がほぼ同等なので、6果と7果であることは確かです。
(注)
 このHPの中で繰り返し述べていますが、私はマテバシイ属の殻斗が複数の殻斗が合着して構成されたものだとは考えておりません。なぜなら、私のこれまでのフィールド調査において、マテバシイ属の殻斗が合着したものでないことを示唆する事象なら数多く目にしてきましたが、その逆は現在に至るまで皆無だからです。

(本件に関連のある記事)
・ セクション 8 雑記377 : 7つも咲いたの?

・ セクション 8 ドングリ雑記 カテゴリー(マテバシイ、シリブカガシ)

・ セクション 25 ドングリの形態からみたブナ科の系統 @項(マテバシイ属の取扱いについて)

・ セクション 32 擬似多果ドングリの世界 1項(マテバシイ)