4個のドングリが結実したオキナワウラジロガシの果軸
珍品度 : ★★★
オキナワウラジロガシの花軸は長さが10mm前後のものが一般的で、そこに3〜4個の雌花が咲きますが、中には20mm前後の長めの花軸に10個前後の雌花が咲くこともあります。ただ、オキナワウラジロガシのドングリはとても大きいので、花軸の長短に関わらず、せいぜい3個しかドングリは結実しません。
ここに展示しているオキナワウラジロガシの果軸には、典型的なサイズよりかなり小さめのドングリが結実したこともあり、全部で4個が結実しました。1本の果軸に4個のドングリが結実するケースが、どれぐらいの割合で発生するのか判りませんが、亜熱帯の腐敗が進行しやすいジャングルの中で、これだけの美品を採集できることは早々ないかもしれません。
内側に果軸が立つ殻斗は全部で3つ [ =図中 (a)〜(c) ] ですが、どの果軸も先端が同じような物体で終端しています。(b)の果軸の先端にあるものを見ると、殻斗の表面を覆う小葉(細長い紐状のもの)と同質のものが付着していることから、この物体は小さな殻斗ではないかと思われます。とりわけ (c) の果軸の先端には、殻斗の外側からでもその存在がハッキリとわかるサイズの小殻斗が見られます。因みに、殻斗の内側に立つ果軸は、これら以外にコナラ属やマテバシイ属のドングリでも確認しています。
(本件に関連のある記事)
・ セクション 8 雑記570 : 4つも結実しました ☆
・ セクション 24 オキナワウラジロガシの世界