高次の多果が発現したマテバシイの果軸 1

珍品度 : ★★(4果)、★★(5果)

 
 マテバシイのドングリは、普通1〜3個の殻斗が合着したような形をしていますが、稀に4個、乃至5個の殻斗が合着したような形のもの(4果、5果)を目にします。ここに展示しているのは、2個の4果と1個の5果が着いた果軸の例です。


 マテバシイの殻斗は同じマテバシイ属のシリブカガシと同様に、果数が増えても果軸と殻斗の接合面積はほとんど変わりません。ここに展示しているものも、同じ果軸にある他の果数のものと接合面積がほぼ同等なので、これらが複数の雌花序が合着して形成された擬似多果でないことは確かです。
(注)
 このHPの中で繰り返し述べていますが、私はマテバシイ属の殻斗が複数の殻斗が合着して構成されたものだとは考えておりません。なぜなら、私のこれまでのフィールド調査において、マテバシイ属の殻斗が合着したものでないことを示唆する事象なら数多く目にしてきましたが、その逆は現在に至るまで皆無だからです。

(本件に関連のある記事)
・ セクション 8 雑記172 : 珍しいマテバシイの幼果

・ セクション 8 雑記480 : マテバシイではかなりの珍品です☆

・ セクション 8 雑記493 : ここまでは順調です

・ セクション 8 ドングリ雑記 カテゴリー(マテバシイ、シリブカガシ)

・ セクション 25 ドングリの形態からみたブナ科の系統 @項(マテバシイ属の取扱いについて)

・ セクション 32 擬似多果ドングリの世界 1項(マテバシイ)