ウラジロガシ( Quercus salicina )

 国産のアカガシ亜属のドングリの中で、アラカシ、シラカシ、ウラジロガシの3種は形態がとてもよく似ており、堅果の全体的な形状や質感でこれらを識別するのは困難です。但し、堅果の首回りの構造を見ると3種3様で、それぞれの特徴を把握すれば100%識別できます。

 ウラジロガシの花柱はシラカシに比べて繊細なものが多く、この部分に着目すれば両者の識別は可能です。また、ウラジロガシやシラカシの首回りに密生している微毛は、前者の方が後者に比べて毛足が長く、そのせいで首回りの輪状構造物(圧迫痕)の輪が明瞭でないものが多いです。これらの要素も併せて考慮すれば、仮に花柱が欠損していても識別は可能です。

 
 以下に、堅果の首回りの構造に特徴があるものを項目別に分けて紹介しますが、中には複数の項目を兼ね備えたものもあることをご了承願います。

1. 肩から隆起した首 1 (ウラジロガシの典型的な構造)
2. 肩から隆起した首 2 (ウラジロガシの典型的な構造)
3. 長く裾を引いた首 (ウラジロガシの典型的な構造)
4. 肩より陥没した首 (ウラジロガシの特殊な構造)
5. 周囲に溝がある首 (ウラジロガシの特殊な構造)
6. 花柱が束になった首 (ウラジロガシの特殊な構造)