マテバシイ( Lithocarpus edulis)
(マテバシイの果軸の様子)
旧枝と新枝の境目と新枝の先端部に、長さ50〜150mmぐらいの果軸が2〜5本立ちます(図28-5-1参照)。
(典型的なマテバシイの結実の様子)
2〜5個のドングリを結実した果軸が、旧枝と新枝の境目に1〜2本立ちます。結実数と果軸数が少ないので、枝には小さなドングリの塊しかできません(図28-5-2参照)。
(良好なマテバシイの結実の様子)
5〜15個のドングリを結実した果軸が、旧枝と新枝の境目に3〜5本立ちます。結実数と果軸数が多いので、枝には大きなドングリの塊ができます(図28-5-3参照)。この図の中央に見られるドングリの塊は、4本の果軸に結実したたくさんのドングリによるものです。
(年に複数回開花した果軸が全て良好なマテバシイの結実の様子)
マテバシイの中には、年に複数回開花する個体が少なからずあります。そういう個体は、枝の長さ方向に数箇所間隔をあけて果軸が立ちます(図28-5-4参照)。この図の左側にある枝は前年に1回、そして右側にある枝は異なる時期に3回開花した痕跡が認められます。図中の番号は開花した順番を示しています。
通常、春に開花したものに比べて、秋以降に開花したものは結実しにくい傾向がありますが、年に複数回開花する個体が集結した場所では、開花した時期を問わずたくさんのドングリを結実することがあります(図28-5-5参照)。そういう個体では、年に1回開花する個体よりも1つの枝に立つ果軸数が増すので、より大きなドングリの塊が出現します。