5-2. ドングリを保存しよう

 採集したドングリの撮影が終了したら、標本として保存するためにドングリを加熱処理してから乾燥します。ドングリを冷凍処理してから乾燥する方法もありますが、私は採集したドングリの状態によらずきれいに保存できる加熱処理を推奨します(*)。加熱処理のフローについては、図5-2-1に示す通りです。
* 推奨理由については、セクション8の雑記289を参照願います。


手順 @

 蓋ができる断熱性の高い容器(ポリプロピレン等)に採集してきたドングリを入れます。
手順 A
 容器に熱湯を注ぎます。熱湯は、容器に入れたドングリの高さの少なくとも倍以上入れます。
手順 B
 熱湯を入れ終わったら、容器に蓋をして密閉します。このままの状態で20分以上放置します。
手順 C
 20分以上経ったら、容器の蓋を外してお湯を捨て、雑巾や古新聞の上にドングリを載せて水分を蒸発させ、この状態で1日放置します。容器のお湯を捨てる際には、火傷に注意して下さい。
手順 D
 浅い容器にドングリを移し替えて、風通しの良い日の当たるところで乾燥します。容器の中では、ドングリが重ならないように、そしてへそが必ず横向き(もしくは上向き)になるようにします。
手順 E
 加熱処理してから2ヶ月程度でドングリはほぼ脱水しますが、密閉容器等に入れて保存する場合は、さらに4ヶ月程度(計6ヶ月)放置します。

(注意事項)

 可能であれば、採集したその日の内に加熱処理することをお勧めします。採集してきたドングリをそのまま放置しておくと、室内は乾燥しているので、ものによっては一両日中に果皮が割れてしまうことがあります。その日の内に処理できない場合は、ジプロックの袋(保湿効果が高い)に入れるか、あるいは冷蔵庫に保管しておいて数日内に加熱処理すれば、果皮が割れるリスクは軽減できます。

 ドングリが十分に乾燥したら、密閉容器に入れて保存します。容器には、セクション5-1で紹介したファイルのように、個人で識別できる内容を記載したラベルを貼りつけます。参考までに、私は軽くて積層可能なアズワン製の容器(**)に入れて保存しています。小さなドングリは容量が100mlのもの、大きなドングリは250mlのものに入れています(図5-2-2、図5-2-3参照)。
** ネット通販でも購入可能です。このHPを開設した頃は、100ml容器が1個70円ぐらいでお手頃でしたが、残念ながら最近では値段が倍以上に高騰しています。