シリブカガシのドングリを見ると、歪な形をした堅果をよく目にします(図3-2-3-3-2参照)。この図の(B)の堅果は、“ 変形くん ” と同じメカニズムで変形したものですが、(A)の堅果については、果軸にドングリが密集して結実していることが関与しています。
同じマテバシイ属のマテバシイでは、隣接する殻斗同士(大きな堅果を包含するもの)が変形するぐらいにドングリが密集するケースは、それほど多くはありませんが、シリブカガシではこの図の様に、隣接する殻斗が変形するぐらいにドングリが密集するケースが多々見受けられます。そのため、隣接するドングリが成長過程において互いに干渉しあって、堅果が変形するものと考えられます(*)。
* シリブカガシのドングリはへそが小さく、殻斗は浅い皿のような形をしています。ですから、ウバメガシの殻斗と同様に、殻斗の形状も変形に少なからず関与していると考えられます。詳細は、セクション3-2-3-5を参照願います。
[ 関連記述 ]
・ セクション8 “ 雑記275: 群をなすアベマキのドングリ 2 ”