15-3. 4果の形態のバリエーション

 深田公園のシラカシAとシラカシBから採集した4果について、形態別採集数量をまとめます(表15-3参照)。この表では、4果の幼果の形態を分類するのに、各々の殻斗の形状に着目して、便宜上、統合型、分離型、あるいはそれらの複合型を名称として使用しています。この表を見ると、多果の形態が採集した個体によって若干異なるのが判ります。

 また、実際に採集した4果の例を図15-3に示します。3果の場合、殻斗の中で3個の堅果がほぼ一列に並びますが、4果では堅果の配列に規則性は認められません。




(追記)
 異なる多果の雌花序が合着して、それぞれの殻斗の元から出現した殻斗が合着した結果、高次の多果が形成される可能性があることをセクション32で紹介しました。上記の4果の幼果の中で、図15-3の最上段(4果統合型殻斗)の右下、並びに最下段(2果統合2果分離型殻斗)の右側の幼果は、2つの2果の雌花序が合着したものである可能性が考えらえます。