雑記C. 2008.11. 1
“ ストライプカラーのドングリ その1 ”
緑ヶ丘公園 [ 所在地 : 兵庫県伊丹市 ] で採集出来るアベマキのドングリの中で、一風変わったものがあります(図8-C-1参照)。成熟したばかりのアラカシやシラカシの堅果には多彩な模様があるので、このようなストライプカラーのものも珍しくはありませんが、アベマキの堅果でこのような模様があるものは、極めて珍しいのではないでしょうか。少なくとも、私がこれまでに出会ったドングリの中では、この個体に結実したもの以外で目にしたことはありません。
落下直後は、濃茶色と薄茶色のストライプですが、10日程たつとやや退色して薄茶色と薄黄色のストライプになり、遠目に見ても表面の模様が際立つようになります(図8-C-2参照)。果皮に触ってみると微小な凹凸があり、どうやらその周期で色が違って見えるようです。ただ残念なことに、一ヶ月もすると退色が進行してこの模様は消失してしまい、他のドングリと見分けがつかなくなってしまうんです。
何とかしてこのストライプカラーをそのままの状態で保存しようと思い、落下したばかりのドングリを樹脂封じしてみたんですが、案の定、生きたドングリから発散される気泡によって、ドングリの周囲の樹脂が白濁してしまいました。
樹脂封じするには検体の乾燥が必須ですが、そうするとストライプカラーは消えてしまいますので、これは大いなるジレンマです。何かいい保存方法があれば、どなたかご教授願います。