ケース7. 殻斗に付随した奇妙な物体 その3
 図17-1-7-1のシラカシのドングリの殻斗には、裾の部分にもう1つ小さな殻斗があります。この小さな殻斗を実体顕微鏡で拡大すると、実に見事なハート型をしています。

 殻斗から堅果を取り外して内側を見ると、離層の痕跡と小さな殻斗の間には、両者を繋ぐように細長い物体が介在しています(図17-1-7-2参照)。これについては、ケース2やケース3と同様に、維管束が延伸したものと考えられます。


(追記)
 その後の調査で、図17-1-7-1の小殻斗は殻斗の内側に立つ果軸に着いた幼果(堅果は退化消滅)であることが判りました。ですから、厳密に言うとこれは単果です。詳細は、セクション8の雑記303を参照願います。