ケース3. 殻斗についた奇妙な物体 その2

 図17-1-3-1は図17-1-2-1と同じように、シラカシのドングリから堅果を取り外して殻斗だけを撮影したものです。殻斗の裾の部分に明らかにもう1つの小さな殻斗があります。離層の痕跡と小さな殻斗の間には細長い棒状の物体が介在しています。実際にこの部分に触れると、この細長い物体と小さな殻斗は、その一端が離層の痕跡と繋がっているだけで、殻斗からは完全に分離しています(この部分だけ取り外すことが可能)。

 ドングリを構成する各パーツの位置関係から考えると、2果形態のケース2と同様、この棒状の物体を堅果と見做すには無理があります。おそらく、小さな殻斗に水分や養分を供給する為に、殻斗の内側を通って維管束が延伸したものではないかと私は考えています。

(追記)
 その後の調査で、図17-1-3-1の細長い棒状の物体は殻斗の内側に立つ果軸で、その先にある小さな殻斗は果軸に着いた幼果(堅果は退化消滅)であることが判りました。ですから、厳密に言うとこれは単果です。詳細は、セクション8の雑記303を参照願います。