ケース11. 圧し潰されたような殻斗

 図17-1-11-1の殻斗は、側面から “ ぐぃっ!” と押し潰されたような形をしています。角度によっては、変形箇所が豚の鼻のように見えます。殻斗の内側を見ると、殻斗と堅果を繋いでいた離層の痕跡が変形箇所まで延伸しているのが判ります(図17-1-11-2参照)。
 たぶん、この殻斗は外的要因によって潰されたのではなく、殻斗の元になる器官に咲いた2つの雌花の内の一方が退化消滅したせいで、消滅した雌花の周辺の殻斗が局部的に変形したと思われます。