アベマキ(Quercus variabilis)
国内に自生するコナラ亜属の樹種については、ミズナラを除くと多果が結実することは極めて稀です。ただ、摂津伊丹廃寺跡 [ 所在地 : 兵庫県伊丹市 ] に植栽された1体のアベマキには、2008年に初めて確認してから、2024年までに少なくとも24個の多果ドングリが結実しました。
この個体は、ほぼ毎年のように多果を結実します。2018年までは、年間でせいぜい1個か多くても2個でしたが、2019年と2022年にはそれぞれ5個も結実しました(図3-B-7-2参照 : 右側にある殻斗と堅果はペアです)。
多果の形態は、主に1つの殻斗が複数の堅果をまとめて包含する堅果統合型殻斗(図3-B-7-3参照)で、いずれも殻斗が包含する複数の堅果は合着しています(図3-B-7-4参照)。中には、複数の堅果がほぼ完全に合着して、首が一つに統合されたものもあります(図3-B-7-5参照)。
また、堅果統合型殻斗に比べて数は少なめですが、1つの殻斗が複数の堅果を分離して包含する堅果分離型殻斗のもの(図3-B-7-6参照)もあります。