カシワ(Quercus dentata)
京阪神ではあまり植栽されていない樹種ですが、幼果ながら明確に多果(2果)と判別できるものを見つけました(図3-B-19-1参照)。
この2果の幼果は、カシワとしてはかなり長めの40mm前後もある果軸を着ける個体で採集しました。因みに、1つの殻斗が2つの堅果を分けて包含するタイプ [ 堅果分離型殻斗 ] は、カシワと同じような長い鱗片をもつ樹種(アベマキ等)では、私がこれまでに目撃した唯一の事例です(*)。
* 殻斗の内側に堅果を分離する仕切りがあるもの(セクション3-1-2 アベマキの項参照)は除きます。
1つの殻斗が複数の堅果をまとめて包含するタイプ [ 堅果統合型殻斗 ] でも、各々を分離して包含するタイプ [ 堅果分離型殻斗 ] でも、多果を構成する1つの果実だけが果軸と接していることが多果の証です。
それに対して、外観からは多果のようなに見える擬似多果(**)は、複数の雌花序が合着して形成されたものなので、構成する全ての果実が果軸と接しています。この2果は、一方の果実だけが果軸と接していることから多果であることは明きらかです(図3-B-19-3参照)。
** セクション32を参照願います。
一方、図3-B-19-4は合着した2果が成熟した唯一の事例です。首を見ると、2本が束になっているのが判ります。また、へそを見ると、2つの堅果が合着したことによる段差が認められます。