ナラガシワ(Quercus aliena)
 
 京阪神の平地におけるナラガシワは少ないので、私が調査対象にしている個体はたかだか100体ぐらいですが、これまでに多果を採集したのは港湾緑地南公園 [ 所在地 : 兵庫県神戸市 ] の2体だけです。

 一つは、2個の堅果が合着した大きな2果です(図3-B-11-1参照)。完熟する直前に樹から落下したみたいで、採集した時には堅果のへその辺りが少し腐敗していました。
 もう一つは、パッと見は単果のような2果です(図3-B-11-2参照)。一方の堅果は薄っぺらでとても小さく、大きな堅果のへその一端に貼り付いています。この小さな堅果が無ければ、変形ドングリ “ 変形くん ”(*) と同じ形をしていることは敢えて説明するまでもないでしょう。
* 変形ドングリ “ 変形くん ” については、セクション3-2を参照願います。

 個体数が少ないのではっきりとしたことは言えませんが、ドングリの形態がよく似たコナラよりは、ナラガシワの方が多果が結実する割合は高いと思われます。