ウバメガシ(Quercus phillyraeoides)
 
 京阪神ではメジャーなドングリの樹ですが、多果を目にすることはほとんどありません。稀に多果を発現した個体に遭遇します(図3-B-9-1参照)が、それらの多くは幼果の段階で脱落してしまいます。図3-B-9-2は異なる個体で撮影した多果の幼果ですが、どちらも撮影後ほどなくして枯死しました。

 
 多果が結実しにくいウバメガシですが、2019年の秋に西神中央公園 [ 所在地 : 兵庫県神戸市 ] の個体
(*)で大量に結実しました(図3-B-9-3参照)。これは大変珍しい事例です。

 それらの中には、多果の形態として極めて珍しい2本の紐状殻斗をもつもの(*)が数多く認められました(図3-B-9-4参照)。
* セクション8の雑記371を参照願います。