ケース4. 殻斗の内側にある小殻斗
 図17-2-4-1は、2個の堅果の間に奇妙な物体が挟まった2果のドングリです。これと類似した別のドングリについて、殻斗から堅果を取り外してみると、この物体が殻斗の一部であることが判りました(図17-2-4-2参照)。

 小さな殻斗の先端が輪を形成していることから、恐らく両側にある2個の堅果以外に、もう1個の別の堅果を包含する為に形成されたものなのでしょう。元々は殻斗の元になる器官に3個の雌花が咲いて、その内の1個が退化消滅した部分で消滅した堅果を包含する為に形成されたものだと考えられます。ですから、見た目は2果ですが、不完全な堅果の存在もカウントするなら3果ということになります。

 図17-2-4-1のドングリは、小さな殻斗が殻斗本体の維管束(離層の痕跡部分)とだけで繋がっていますが、これと類似した形態のもので、小殻斗が殻斗本体の2箇所(図17-2-4-3参照)もしくは1箇所(図17-2-4-4参照)と繋がっているものもあります。


(追記)
 その後の調査で、殻斗の内側にできた小殻斗は、殻斗の内側から延伸した果軸に着いた幼果(堅果は退化消滅)であることが判りました。詳細は、セクション8の雑記303を参照願います。