ケース1. 三角形状に並んだ3個の堅果

 通常コナラ属の3果は、1つの殻斗に包含された3個の堅果が一列に並びます。ところが、3個の堅果が三角形の頂点の位置に並ぶものが極めて稀に存在します(図17-2-1-1参照)。

 この図は、開花から僅か2ヶ月で落下した3果の幼果です
(*)。幼果とは言え、このような形態のものは余程の幸運に恵まれない限り目にすることはありませんが、私はこれまでに二度目撃しました(図17-2-1-2参照)。
* セクション8 雑記046に関連記事があります。

 これらの幼果は、いずれも4果以上の多果を多く発現したシラカシ(セクション15の表15-2にあるシラカシAとシラカシB)で見つけました。4果以上の多果は、殻斗内の堅果の配列がランダムなものが多い(**)ので、もしかするとこの個体では3果に対しても花原基の配列の自由度が高いのかもしれません。
** セクション15-3〜5にある高次の多果の実例をご覧下さい。