13-1. ドングリの花

 ドングリを結実するブナ科の植物は、同じ樹に雌花と雄花が咲く雌雄同株です。雄花軸は垂下した尾状花序 [ 図13-1-1左側 ] (*)で、雌花軸は立ち上がった穂状花序 [ 図13-1-1右側 ] (**)です。
  * 尾状花序 : 穂状花序の一形態で、無柄の単性花が密生、垂下したもの
** 穂状花序 : 多数の無柄の花が、直立した花軸にほぼ均等についたもの

 図13-1-2は雄花序を拡大したものです。左側の状態から1週間前後が経過すると、右側のように葯が黒く変色し、内部にある花粉が放出されます。

 図13-1-3は雌花序を拡大したものです。雌花は下位子房で、子房を被覆している花被/花床は最終的に堅果の最表面層を形成します。
 
また、子房の先にある花柱は成熟するにつれて黒く変色しますが、サイズはほとんど変わらないまま、堅果のへその対向部分に小さな突起として残ります。