雑記080. 2012. 6.27
“ 両性花の発生頻度は意外に高い? ”
ブナ科の植物の花は雌花と雄花が独立した雌雄異花ですが、先月末に深田公園 [ 所在地 : 兵庫県三田市 ] でシラカシの雌花軸に複数の雄蕊を併せもつ両性花を見つけました(*)。両性花と言っても、雄蕊が機能しない不完全なものだと思いますが、ブナ科の植物でこの形態の花を初めて目撃したのでとても驚きました。
ところが、その衝撃から1ヶ月も経たない先週末に、今度は掖谷公園 [ 所在地 : 兵庫県神戸市 ] とはじかみ池公園 [ 所在地 : 兵庫県三田市 ] のアラカシで、両性花と思われる幼果が見つかりました(図8-80-1、図8-80-2参照)。
* 詳細は、雑記78を参照願います。
アラカシの幼果の中に両性花と思われる幼果が見つかったのは、両園で各々1体ずつの計2体でした。いずれも開花から2ヶ月近くが経過しており、雄蕊はすっかり枯れていました。手が届く範囲の枝を探索した結果、掖谷公園のアラカシからは計12個、はじかみ池公園のものからは計1個が見つかりました。両性花ってその気になって探してみると、意外にたくさん見つかるものなのかもしれません☆
掖谷公園で採集したものの中に、一つだけ花柱の周りを雄蕊の残滓が整然と取り囲んでいるのがありました(図8-80-3参照)。開花したばかりの時には、シンメトリックでさぞかし美しい両性花だったのではないでしょうか☆