雑記064. 2011.10.21
“ 遅れて来た第二のタマバチ? ”
 昨晩、愛猫ルーカス君と遊んでいる最中に、私の部屋に逃げ込んだ彼が、廃却予定のドングリのサンプルを積み上げたケースを蹴り飛ばして、サンプルの一部を床にぶちまけてしまいました。毎度の事なので、特に彼を叱責するでもなく淡々とそれらを片付けていたら、偶然あるケースの中で異変が生じていることに気づきました。
 そのケースには、ウバメガシの堅果に寄生した虫瘤
(*)を入れていました。7月下旬〜8月上旬にかけて一部の虫瘤から羽化した成虫が出てきましたが、大半は何も出てくる気配が無かったので、年末には廃棄するつもりでここに置いていたのです。

 ケースの中を良く見ると、小さい虫が3匹....いや、もっと目を凝らしてみると、それらよりもさらに小さいのが1匹の合計4匹が元気に飛び回っていたではありませんか♪ 先月末に整理した時には何も居なかった筈なので、きっと10月に入って虫瘤から出てきたのでしょう。2〜3ヶ月ものタイムラグがあるということは、もしかすると全く違う種類の昆虫かもしれません。
* 詳細は、セクション9-1を参照願います。

 早速実体顕微鏡を覗き込んでみると、やはりこれまでの見慣れたタマバチとは全く別種のものであることが判りました。決定的な構造の違いは、これらの成虫の腹部に体節(腹節)があるところです。全身がメタリックカラーを帯びてキラキラと輝いており、これまで見てきたタマバチに比べると、かなり洗練された印象を受けました。この違いを何かに例えるならば、ゴジラとメカゴジラってところでしょうか。勿論、前者がタマバチですよ♪

 ただ、今回現れた昆虫には、2つの異なる形態が見られました。1つは、腹部が膨れて尻の先が尖っているもの。もう1つは、腹部が平坦で尻の先が丸まっているものです。これらが、雄と雌なのか、あるいは異なる種類なのか、残念ながら私には判断出来ません。ただ言えることは、今回出現した昆虫は明らかにこれまでのタマバチとは別種であるということだけです。

 
 なにわともあれ、今回はルーカス君の大手柄でした。週末には、ささやかながら生マグロで彼を歓待してあげたいと思います。ルーカス君、楽しみにしていて下さいね☆

(追記)
 “ 明石・神戸の虫 ときどきプランクトン ” を開設されている管理人様から、新たに羽化した昆虫がタマバチの仲間ではなくて、タマヤドリコバチ科の一種ではないかとのご指摘を受けました。この仲間は、通常ドングリではなくタマバチに寄生するそうです。堅果に虫瘤を形成するタマバチを目当てに、さらに寄生する昆虫がいるなんて驚きですね☆ 普段は見過ごしてしまそうな小さな昆虫達の世界ですが、なかなかどうして奥が深いんですね〜