雑記593. 2025.10.30
“ ほぼ同時期に咲いていました ”
先月、掖谷公園 [ 所在地:兵庫県神戸市 ] のウラジロガシに季節外れの花が咲きました(*)。アカガシ亜属の樹木における季節外れの開花はとても珍しいことから、この個体の観察に注力するあまり、周囲の個体の動向に目が行き届いていなかったのですが、実は2018年に初めて開花を目撃した個体でも、ほぼ同時期に開花していたことが明らかになりました(図8-593-1参照)。以下、便宜上初めて開花を目撃した個体を1体目、2番目に目撃した個体を2体目と称します。
* 雑記587〜雑記589を参照願います。
9月上旬に2体目が開花した時、1体目に開花の兆候は認められませんでしたが、10月になって1体目の個体の樹上を見ると、高所の一角に花が咲いていたのです(図8-593-1参照)。花序の主体は雄花序(図8-593-2参照)で、すでに花粉を放出して枯死したものも多数見受けられました(図8-593-3参照)。おそらく、1体目についても早いものは9月上旬〜中旬にかけて開花したと思われます。

2体目は雌花序も多数咲いていましたが、1体目については花序全体の1割に満たない状況でした(図8-593-4参照)。これは、2018年に初めて開花を目撃した時と同様です。因みに、花序単体の形態は雌雄共に多果が中心で、2体目と1体目に顕著な違いは認められませんでした。