雑記581. 2025. 8. 4
“ カシワで見つけた奇妙な雌花序 ”
港湾緑地南公園 [ 所在地 : 兵庫県神戸市 ] にあるカシワの樹下で、枯れ落ちた2つの奇妙な雌花序を見つけました。1つには、カシワにしては極端に長い果軸(60mm)に、幼果が脱落して苞葉だけが残った部分も含めると20個前後の着果の痕跡が認められました(図8-581-1参照)。
そしてもう1つには、典型的なカシワと同程度の長さの果軸(=10〜20mm)に、密集した10個もの幼果が認められました(図8-581-2参照)。
これらの果軸を見つけた個体では、これまでにもしばしば特異な形態の花序を目撃してきました。図8-581-3は、数年前の4月末(通常の花期)に出現した花序を撮影したものですが、一般のカシワのように枝先だけでなく、5節ぐらい下方の葉腋にも花軸を立てていました。それらの花軸は、長いもので100mm近くもあり、そこには雌花序以外にも雄花序や両性花序が多数開花していました(*)。
* 雑記495を参照願います。
このように、通常の花期でも奇妙な形態のものが多いのですが、今回目撃したものはそれらと比べてもかなり異色でした。もしかすると、この個体ではコナラやナラガシワのように、通常の花期以外にも不定期に開花しているのかもしれません(**)。来年以降、春から夏にかけてこの個体を注意深く観察してみます。
** セクション22を参照願います。