雑記579. 2025. 6.26
“ 春咲とは思えない長〜い花軸 ”
 春に咲くウバメガシの雌花序は、5〜10mmぐらいの短い花軸に1〜3個の花を咲かせたものが一般的です(図8-579-1参照)。ただ、ウバメガシでは珍しい多果を結実する個体の中には、稀に15mm超のかなり長めの花軸を咲かせるものもあります(*)
* セクション30-2 ウバメガシの項を参照願います。

 先日、そのかなり長めの花軸を咲かせる高塚山緑地 [ 所在地 : 兵庫県神戸市 ] の個体で、これまでにない長〜い花軸を見つけました(図8-579-2、3参照)。

 
 その花軸の長さは、通常の花期(春)に咲く同種のものとしては破格で、25mmもありました。雌花は4個しか咲いていませんでしたが、他に普通の花軸ではほとんど見られない、花を包まない苞葉が全部で4箇所も認められました。引き続き、この長〜い花軸の動向を注視していきます。

 
 因みに、ウバメガシの中には夏から秋にかけて季節外れに開花する個体があります
(**)。季節外れに咲く雌花序は長さが20〜50mmもあって、そこに10個以上の花を咲かせるものも珍しくはありません(図8-579-4参照)。
** セクション22-2項を参照願います。