雑記564. 2025. 1. 6
“ 2つだと、カバーしきれません! ”

 図8-564-1は、山城地区で3日目に採集した、堅果幅が30mm前後もある宝珠のような形をしたオキナワウラジロガシのドングリです。今回、同地区ではこのドングリが大量に落下していましたが、雑記563の末尾で紹介した2日目に採集したもの(図8-563-6参照)よりも、3日目に採集したものの方が少しばかり大きめでした。落ち始めよりも、少しばかり落下のピークを過ぎたあたりからより大きなものが降るのは、オキナワウラジロガシのドングリでも他の種類のものと同じみたいです。

 山道からは、ちょうどこの個体の樹上の様子が見て取れましたが、ツアーの最終日でも樹上にはまだたくさんのドングリが残っていたので、その後数日間はドングリが降り続いたのではないでしょうか。

 ところで、このドングリが落ちていた場所からは、果皮が十字方向に割裂したドングリがたくさん見つかりました(図8-564-3、図8-564-4参照)。

 
 果皮が割裂しているせいか、これらは図8-564-1のドングリよりもかなり大きく見えました。果皮を剥離すると、案の定、全て多種子(2種子)のドングリでした。オキナワウラジロガシのドングリでも、本土のドングリのように堅果の一部が歪に膨れたものをこれまで多数目にしてきましたが、それらが多種子であったことは一度もありませんでした。なので、これらがオキナワウラジロガシで私が多種子のドングリを確認した初めての事例になります。