雑記560. 2024.12. 7
“ 首回りがちょっと変? ”
イチイガシのドングリは、ちょうど今時分(11月中旬〜12月初旬)に落下のピークを迎えます。先日訪れた長居植物園 [ 所在地 : 大阪府大阪市 ] も、多様な形態のイチイガシのドングリが採集できる京阪神でも屈指の採集スポットですが、今回は京阪神でも最大級のイチイガシの植栽数を誇る橿原神宮 [ 所在地 : 奈良県橿原市 ] を探索してきました。
広大な敷地内には、ほぼ全域に巨大なイチイガシが植栽されていて、ドングリだけでなく樹そのものに興味がある人にとっても、ここはとても魅力的な場所ではないかと思います。
また、神宮内には林でない開けたエリアにも比較的樹高の低いイチイガシが点在しているので、低倍率の望遠レンズのカメラさえあれば、樹上に結実したドングリもきれいに撮影することができます(図8-560-3参照)。
イチイガシは、わりとコンスタントに結実する個体が多いので、この日も多くの樹下にたくさんのドングリが落下していました。ドングリの多様性という点では、イチイガシは他の種類ほど顕著ではありませんが、橿原神宮は個体数が半端ないだけあって、結構バラエティに富んだ形態のドングリが採集できました(図8-560-4参照)。
とりわけ、ある個体から採集したドングリには、ほとんどの首回りに奇妙な模様が見られました(図8-560-5参照)。これらの模様は、果皮を覆う微毛が部分的に剥離しているだけではなく、その直下の果皮に直接刻みこまれていて、私がこれまで採集してきたイチイガシのドングリでは見たことがないタイプです。殻斗と堅果を繋ぐ成長点であるへその回りに、このような傷が生じることはよくあることですが、へそと反対に位置する首回りだけにこのような傷ができるのは、なぜなんでしょうか?