雑記554. 2024.11.14
“ 山で採集したアカガシの多果 ”
羽束山と大船山でアカガシのドングリを探索(*)した結果、『 山のドングリは形態が単調である 』 という自論は訂正を余儀なくされました。ただ、アカガシのドングリに関する自論、 『 アカガシは多果を結実しやすい樹種である 』 ということに関しては、あらためて確信を得ることができました。
* 雑記552、雑記553を参照願います。
これまでにも、いろんな山でアカガシの林を探索して、多果を採集してきました。個体数の多少にかかわらず、多果(ほとんどは幼果)を少なくとも1個は採集してきましたが、大船山では異なる個体から5個も採集することができました(図8-554-3参照)。図中の上段左の1個と下段2個は完熟のドングリですが、他の2個は幼果です。
相当な数のアカガシのドングリが落下していたので、その中から多果を見つけたからといって、多果を結実しやすい樹種と判断するのは早計だと思われるかもしれません。ですが、膨大な数のドングリが結実しても、多果を結実しにくい樹種(例えば、コナラやクヌギ)では1個でも見つけ出すことが極めて困難なので、特定の群落から複数個の多果が採集できたということは、アカガシが多果を結実しやすい樹種だと判断するに充分であると私は考えています。
一方、個体数の少ない羽束山でも1個だけですが、2果の堅果を採集しました(図8-554-4参照)。2つの堅果が合着した2果ですが、小さい方の堅果は首の形まで明確に見て取れます。