雑記539. 2024. 8.17
“ 四番目のフモトミズナラ ”
 昨年の8月〜9月にかけて、大阪公立大学 [ 所在地 : 大阪府堺市 (旧大阪府立大学) ] の構内にある4体のフモトミズナラが結実しました(*)。ただ、その中の1体(第4の個体)については、ドングリの生りが良くなかったので、今年あらためて現地を訪れたのですが、昨年よりも生りが悪くて、樹上に結実したものはごく僅かでした(図8-539-1参照)。
  * 雑記503〜505を参照願います。

 そんな訳で、今年取れたてのドングリだけでこの紙面を埋めることは難しく、不本意ではありますが、昨年採集したドングリも交えて第4の個体に結実したフモトミズナラのドングリをご紹介します。

 第4の個体に結実したドングリは、フモトミズナラのものとしてはかなり異色でした。堅果の首周りはやや陥没しており、フモトミズナラの特徴をよく表していましたが、殻斗は奥行きが浅く平坦で、それらの多くは裾の部分の鱗片が殻斗の内側に回り込んでいました。


 また、内側に回り込んだ鱗片のせいで、堅果は胴回りに凹凸がある歪な形をしたものが多く、へその周囲には未熟な堅果によく見られる陥没が認められました。

 
 フモトミズナラのものにしては特異な形態の殻斗ですが、中には直径が30mmを超える大きなものもあり、その外観や内側の様子はミズナラやコナラの殻斗というよりも、むしろレッドオークのものに近い感じがしました(図8-539-5参照)。