雑記535. 2024. 7. 1
“ 苞葉による面白い造形 その2 ”
 一般に、雌花序の腋にある小さな苞葉(図8-535-1参照)は開花してまもなく脱落しますが、中には結実する頃までその姿を残すものもあります。 

 先日、掖谷公園 [ 所在地:兵庫県神戸市 ] でウラジロガシの大きな苞葉を見つけました(図8-535-2参照)。図8-535-1の苞葉ですら、普通のものに比べてかなり大きな方ですから、図8-535-2の苞葉が特大クラスであることは敢えて言うまでもないでしょう。ちなみに、左側の苞葉の葉身を測定すると35mmもありました。

 
 しかも、同じぐらいのサイズの2枚の苞葉が、花軸に対して左右対称に配置されていて、その姿はまるで飛行機の翼のようです。以前、高塚山緑地 [ 所在地 : 兵庫県神戸市 ] にあるアラカシの花軸で見たもの(*)もこれと類似していましたが、アラカシで見たものを零戦に例えるなら、こちらはB29爆撃機といったところでしょうか(図8-535-3参照)。単体で同じぐらいの大きな苞葉なら、これまでにもナラガシワやウバメガシ(**)で目撃したことがありますが、これほど大きなものが対になっている姿は、なかなかお目にかかれないのではないでしょうか。

 
  * 雑記494を参照願います。
** セクション21を参照願います。