雑記532. 2024. 5.24
“ 秋に咲いた痕跡を見つけました☆ ”
2018年12月、掖谷公園 [ 所在地:兵庫県神戸市 ] のウラジロガシで開花して間もない花序を見つけました(*)。さらにその翌年の2019年9月にも、同じ個体に少しばかり開花しましたが、以来現在に至るまで秋の開花を目撃しておりません。
* 雑記331を参照願います。
コナラやナラガシワのようなコナラ亜属の樹種では、春以外の季節外れの開花は珍しくありませんが、アカガシ亜属では目撃事例が皆無に等しく、おそらくメディアでその実例を紹介したのは、このHPが初めてではないかと思われます(図8-532-1参照)。
花序の形態を含む当時の開花状況の詳細については雑記331を参照していただくとして、先日同園にある別の個体からも秋に咲いた痕跡のある花軸が見つかったのです。掖谷公園には10数体のウラジロガシが植栽されていますが、それらの内の2体については、以前から不定期にたくさんの多果を結実してきました。2018年の秋に開花した個体はその1体ですが、今回秋に開花した痕跡を見つけたのは、そのもう一方の個体です(図8-531-2参照)。
秋に咲いたと思われる花軸はこの図にある枝の3本だけでした。これらの花軸が秋に開花したものであると考える根拠は、花軸に咲いた雌花序のほとんどが多果形態であることです。2018年の秋に咲いた花序も、ほぼ多果形態で単果形態のものはごく僅かでしたし、多果形態の花序を構成する花の中に両性形態のものが多数混在している様子も酷似しています。また、花軸がまだ緑色であることも、開花してから半年前後しか経過していないものであること、即ち昨年の秋に開花したものであることを示しています。
さらに、2018年の秋に開花した花序は、枝先にある頂芽が開いてそこから枝を介さず花軸だけが出現していましたが、今回見つけたものもそれと同じで、4つの頂芽の内の3つが開いて、そこから各々1つずつ花軸が出現していました(図8-532-3参照)。以上の点から、これらの花軸が秋に咲いたものだと推定します。今後は、これら2体のウラジロガシを重点的にマークしながら、季節外れの開花の様子を詳しく観察できる好機が訪れるのを待ちたいと思います。