雑記053. 2011. 9.10
“ 同じ個体に結実した、全く違うタイプのドングリ ”
一般に、1つの個体に結実するドングリには大小の違いはあっても、それ以外の形態の違いはほとんど見られません。ところが、全く別の種類と思えるようなドングリが、少しだけ混在していることが時々あります。
図8-53-1は、先日掖谷公園 [ 所在地 : 兵庫県神戸市 ] でシラカシを調査していた時に見つけた幼果です。図中赤丸で囲んだ3個の幼果は、それ以外のものに比べて殻斗が極端に小さいのです。このようなケースは、シラカシとアラカシのドングリでよく見られますが、何が原因しているのかよくわかりません。
2つの異なる形態のドングリが混在するのは、単果に限った事ではありません。私の大好きな多果でも状況は全く同じです。表8-53-1は、深田公園 [ 所在地 : 兵庫県三田市 ] で毎年のように多果を大量に発現するシラカシから採集したものです。
この個体の幼果の大半は標準形態(表中上段)ですが、極僅かに特殊形態(表中下段)のものが存在します。特殊形態のものは、図8-53-1と同様に殻斗が極めて小さいのです。
今はまだ幼果ですが、これらが成熟してどんなドングリになるのかみなさんも興味があるんじゃないでしょうか。このまま無事に成熟したら、あらためてご報告しますのでもうしばらくお待ち下さい。