雑記052. 2011. 9. 5
“ 稀に見る着果量 〜 アラカシの多果ドングリ 〜 ”
先月のお盆休みに、久しぶりに訪れた栗ノ木谷公園で多果を大量に発現したアラカシを見つけました。栗ノ木谷公園 [ 敷地面積:約2ha ] は、兵庫県神戸市北区にあるニュータウンの中のオアシスで、このHPでおなじみの吉尾公園や掖谷公園と同様、自宅からはバイクで15分ぐらいの距離にある私の探索スポットの一つです(図8-52-1参照)。
アラカシのドングリは、シラカシと非常に良く似ていますが、多果の発現に関しては真逆の関係にあります。シラカシにおける多果の発現頻度は他の樹種とは別格で、ほとんどの個体が多果を発現します。ところが、アラカシの場合は余程の幸運に恵まれない限り、多果の発現に遭遇することはまずありません。
これまで、私は京阪神全域のアラカシを探索してきましたが、兵庫県三田市の駒ヶ谷公園(1個)と大阪府大東市にある深北緑地(10数個)の個体(各1体)でしか、多果の発現を目撃したことがありませんでした(*)。
ところが、栗ノ木谷公園で見つけたアラカシには、驚いたことに数100個レベルの多果の幼果がありました(図8-52-2参照)。
その日以来、毎週末ここを訪れて多果の生育状況を確認するのを楽しみにしてきたのですが、訪れるたびに幼果の数がどんどん減り続けて、昨日見た時には半月前の1/3以下ぐらいまで激減していました(図8-52-3参照)。実りの季節はまだ先ですが、既に黄色信号が点滅している状態です。
落下した幼果の中には、シギゾウムシの様な甲虫類が食害した痕跡が認められましたが、大半は原因不明の自然落下によるものでした(図8-52-4参照)。残った多果のうち、果たしてどれだけ秋まで生き延びられるのか心許無いですが、僅かでも無事に結実した暁にはぜひともその勇姿をこのHPで紹介したいと思っています。
* アラカシの多果ドングリについては、セクション3-2-2を参照願います。