雑記515. 2023.11. 1
“ 毛深いアカガシのドングリ ”
 国産のアカガシ亜属のドングリは、アラカシを除いて堅果全体が微毛に覆われたものが多かれ少なかれ存在します。とりわけ、ウラジロガシとオキナワウラジロガシのドングリはその両極端な例で、前者は微毛に覆われたものは稀(*)ですが、後者はほとんどのものが微毛に覆われています。これら以外の樹種については、あくまで主観的なイメージですが、首から肩にかけて微毛に覆われたものが大半で、堅果全体が覆われたものは少ないのではないでしょうか(**)
  * 堅果全体が微毛に覆われたウラジロガシのドングリについては、雑記241を参照願います。
** イチイガシは、首から胴回りにかけて微毛が密生したものはよく見かけますが、堅果全体が覆われたものは目にしたことがありません。

 鶴見緑地 [ 所在地 : 大阪府大阪市/守口市 ] に植栽されている何体かのアカガシも、図8-515-1のような無毛のものや首回りにだけ微毛があるものばかりですが、1体だけ堅果全体がビッシリと微毛に覆われたドングリを結実する個体があります(図8-515-2参照)。

 
 このドングリは特大サイズではありませんが、アカガシの中では比較的大きなものです。首がとても太くて長く、まるでこの部分だけが堅果から独立した構造物のように見えます(図8-515-3参照)。毛深いだけでなく、堅果を構成する部位までもがちょっぴり濃い目のこのドングリは、京阪神で採集できるアカガシの中でも、私のお気に入りの一つです☆