雑記511. 2023.10.12
“ 緑ヶ丘公園のアベマキ その4 ”
 緑ヶ丘公園 [ 所在地 : 兵庫県伊丹市 ] のちょっと変わったアベマキのドングリを紹介するシリーズ 『 緑ヶ丘公園のアベマキ 』 (*)の4回目です。今回紹介するのは、2色の縦縞が美しいストライプカラーのドングリです。このHPを開設したばかりの頃に他のセクションで一度紹介(**)しておりますが、このシリーズに加えないわけにはいかなかったので、内容を少しばかりリニューアルしてご紹介します。
  * 雑記398(第1回)、雑記438(第2回)、雑記467(第3回)を参照願います。
** 雑記Cを参照願います。

 この個体は、園内の上池の畔にある築山の雑木林の中にあります(図8-511-1参照)。アベマキの堅果と言えば、濃淡はあっても基本的に茶色一色で、せいぜいそこに薄黒い縦縞か、あるいは黒い斑点のような模様が見られる程度ですが、この堅果には薄茶色(もしくはオレンジ色)と濃茶色の明瞭な縦縞があるのです(図8-511-2参照)。

 この縦縞は結実したばかりのものよりも、少しばかり日が経って果皮が退色したものの方が鮮明になります(図8-511-3参照)。但し、乾燥して退色が進むにつれて縦縞は徐々に薄れていき、最終的に他のアベマキのドングリと区別がつかなくなってしまいます。

 図8-511-4は、このドングリのディティールです。平均的なアベマキの堅果よりもサイズはやや小さめで、首回りの果皮に若干の陥没が認められます。果皮は縦縞の境界部分に微小な段差があるせいで、触感がザラザラしています。
 これまで相当数のアベマキのドングリを見てきましたが、このように鮮やかなストライプカラーをもつものを同園以外で目撃したことは一度もありません。もしかすると、ここでしか出会えない極めてレアなドングリなのかもしれませんね☆


(補記)
 樹下にたくさん落下したストライプカラーのドングリの中に、先日紹介したばかりの 『毛深い族 』 (***)を見つけました。服部緑地 [ 所在地 : 大阪府豊中市 ] で採集した 『毛深い族 』 もそうですが、これらのドングリも同じように首回りの果皮が少しばかり陥没していました。アベマキのドングリが毛深くなることと、首回りの陥没との間には、何か関係があるのでしょうか?

*** 雑記507を参照願います。