雑記051. 2011. 8.28
“ ウラジロガシにもあったんですね ”
 今年もいよいよドングリのシーズンがやって来ましたが、最近では開花からドングリが結実するまでの形態変化を長期間に亘って調査することが増えてきましたので、私にとってはほぼ一年中ドングリシーズンの様な状態です。興味の対象が急激に拡大して、仕事との両立が厳しい今日この頃ですが、ドングリマニアの私にとってはなんともうれしい悲鳴です。

 さて、昨日掖谷公園 [ 所在地 : 兵庫県神戸市 ] を散策していたら、偶然にもウラジロガシの多果を発見しました(図8-51-2、図8-51-3参照)。多果と言ってもまだ幼果なので、来年の秋にならないとドングリには対面出来ません。
 ウラジロガシのドングリは、クヌギやアカガシと同様に2年成
(*)です。2年成というのは、春に受粉して翌年の秋に結実するもののことです。参考までに、コナラやアラカシ等は春に受粉して、その年の秋に結実するので1年成といいます。

 今回、私が見つけたウラジロガシの多果は今年受粉したばかりの幼果ですから、多果が結実する歩留まりを考えると来年まで無事に成長してくれるかどうか微妙なところではありますが、ざっと樹上を見渡したところ相当数の多果の幼果が確認出来たので、少しは期待出来るかもしれません。
* ドングリの1年成と2年成の樹種については、セクション1を参照願います。

 ウラジロガシは、同じアカガシ亜属のアラカシやシラカシに比べると京阪神での植栽数は極めて少ないです。ですから、ウラジロガシの多果の発現頻度がどの程度のものなのか全く判りません。因みに、掖谷公園を含めた近在の緑地や公園にある20体余りのウラジロガシを見る限り、これまでに多果の発現を確認したのはこの個体だけですから、シラカシのように高頻度でないことは確かでしょう。いずれにせよ、ウラジロガシの多果との出会いは初めての事なので、来年の秋まで元気で健やかに育ってくれることを心から祈ってます。