雑記507. 2023. 9.27
“ 『 毛深い族 』 と呼ばせてください  ”
 京阪神屈指のアベマキのドングリの名所である服部緑地 [ 所在地 : 大阪府豊中市 ] では、毎年この時期になると園内の至るところで大量のアベマキのドングリが落下します。かなりの数のアベマキが植栽されているので、ここでかれこれ20年以上ドングリを採集していますが、今でも時々目新しい形態のドングリに出会うことがあります。

 先日訪れた場所では、首から肩にかけて白い微毛が密生したドングリがやたらと目につきました(図8-507-2参照)。アベマキとドングリの形態がよく似たクヌギにも、首回りに微毛があるものは存在しますが、下地の果皮が透けて見えるぐらい薄っすらと付着している程度で、アベマキのように濃く密生したものはまず見かけることがありません。ですから、首回りの微毛の有無や濃淡は、アベマキとクヌギの堅果を識別するのに有効なファクターと言えるのではないでしょうか。

 さて、この微毛に着目しながら採集していると、2つの個体から落下した堅果の中に、ものすごく微毛が濃いものに出くわしました(図8-507-3参照)。図中の右側にあるのが、首回りに普通に微毛が密生している堅果(図8-507-2と同じもの)ですが、それに比べて左側の堅果は首から肩、そして胴回りまでビッシリと微毛が生えている様子が見て取れます。

 
 さらにそれらの中には、首からへその辺りまで微毛が延伸したスペシャルなものまでありました(図8-507-4参照)。

 一風変わったドングリが大好きな私は、これらの奇妙な姿をしたアベマキのドングリがすっかり気に入ってしまいました♪ 勝手ながら、彼らのことを 『 毛深い族 』 と命名し、これからもいろんなタイプのものを採集したいと思っています。仲間がいっぱい集まったら、あらためてご紹介しますのでお楽しみに!