雑記503. 2023. 9.10
“ 大阪公立大学にもありました ”
数年前に、シリブカガシのドングリについて情報(*)を提供してくださった大阪府堺市在住のKさんから、またまた貴重な情報をいただきました。Kさんによると、大阪公立大学 [ 所在地 : 大阪府堺市 (旧大阪府立大学) ] の構内に、京阪神では数少ないフモトミズナラが植栽されていて、ちょうど8月の中旬から9月の上旬にかけてドングリが結実するとの事でした。
* 雑記381を参照願います。
大阪公立大学の構内には、昔は様々な種類の魅力的なドングリを結実する樹がたくさん植栽されていました。このHPを開設したばかりの頃は、京阪神を代表するドングリの名所10撰(**)にも取り上げていたのですが、近年急速に進められている構内設備の増改築によって、緑豊かなエリアは縮小を余儀なくされ、残念ながら昔の面影はすっかり失われてしまいました。
** セクション7の “ どんぐりマップ ” のことです
そんな訳で、ここ数年はすっかり足が遠のいていたのですが、Kさんからの情報をもとに久しぶりに現地を訪れたところ、確かに4体のフモトミズナラが植栽されていました。樹高は5〜6mぐらいで、幹回りの直径は細いもので150mm弱、大きなものは250mmありました。現時点でこれぐらいのサイズだと、どんぐりマップを作成した頃には既に目につく姿でここに植栽されていたと思われますが、恥ずかしながら私はこれらの樹木の存在にまったく気づいておりませんでした。
さて、8月の中頃に4体あるフモトミズナラの1体に細長いドングリが結実しました。京阪神に植栽されているフモトミズナラで9月の上旬にドングリを落とすもの(***)がありましたが、大阪公立大学の個体はそれより半月以上も早く結実したことになります(図8-503-3参照)。
*** 雑記167、168を参照願います。
フモトミズナラの堅果は、一般に寸胴な形をしたものがよく知られていますが、この個体から採集した堅果はどれも細長くて、首回りがやや陥没していました。また、どれもへそが大きく突出していました。一方、殻斗はミズナラによく見られる王冠型ですが、ミズナラよりもずっと肉厚で、鱗片の隆起が顕著でした(図8-503-4参照)。
例年、8月はドングリ採集のオフシーズンですが、今年はKさんからの思わぬ朗報により、少しばかり早めのシーズンを満喫することができました♪ 素晴らしい情報を提供してくださったKさんに、ここであらためて御礼申し上げます。次回は、この個体から遅れること1〜2週間、これとは別の個体に結実したフモトミズナラのドングリをご紹介します。